nanapiが運営するアンサーを試しに使ってみたら大変なことになった

nanapiが運営しているアンサー
結構前から話題になっていたし、アプリを作っている身としては色んなアプリを試すのは当然だ。趣味ではない。仕事だ。というわけで、1週間と少し使ってみたわけですが、何だか大変な事になりました。

アンサーとは

アンサーは完全な匿名で、アプリ上で悩みや聞いて欲しいことを投稿、スレッドという形で表示され、知らない誰かから回答がある。回答が付いた時の通知もアプリなのでスムーズで、返答も楽々。

立ち上げたスレッドはベストアンサーをスレ主が決めた時点、さらには24時間経過すると自動で締め切りになる。スレッドを削除すると強制的に終了。

面白いのは、アップした画像や音声は24時間経つと閲覧も再生もできなくなる。どれだけ足掻いてもそういう仕様なので強制的に消える。恥ずかしい画像をあげても安心。

スレッドを検索するシステムもなく、「新着」や「すべて」という項目で出会った質問にだけ参加(投稿)する資格が得られるのと、ユーザー同士がつながる術(フォローなどの機能)もないので、本当に一期一会。

スレ主、もしくはスレッドに投稿した人は24時間以上経った過去のスレッドはテキストのみという制限はあるが遡って閲覧することは可能。でも参加しなかった人は絶対にそのスレッドを閲覧する事はできない。このさらっと感もいい。

教えてgooとか、そんな感じのWEBサービスに毛が生えた感じだろうと舐めてかかって始めてみたら、結構このあたりの構成、仕様、UIがうまく絡み合っていて、ユーザーが快適に使えるように工夫している感じがビシバシ伝わる。しゅごい。

スレッド(スポット)を立ち上げる所からはじまる

まずアプリをインストールしてはじめると、スレッドを立ち上げるように催促される。

まずは気分を選択して、その後に本題を投稿するという流れ。はじめて使った時はよく分からないので、最近マジで落ち込んでいたこともあり、勇気をふり絞って本気の悩みを書いてみた。「最近人間関係で落ち込んでいて…」

すると、ものの1分もしないうちに回答が!早い。何?どこかで見てるの?なんか通知でもいくの?というくらい尋常じゃない早さだ。

しかも結構みんなマジ回答。「何があったの?」「うーん。人間関係は難しいねぇ。」「今は何をしてもいい方向には進まないだろうから、ゆっくり時間をかけて信頼を回復するしかないね」

泣ける。

え?もうなんか友だちですか?すでに。みたいなノリでレスが返ってくる。しかも参考になるやんけ。

ただ、自分で投稿したものの、匿名とはいえ、ここでマジの相談をするのもなんか恥ずかしいなと我に返り、しっかりお礼を言って、的確なアドバイスをくれた方にベストアンサーの称号をポチり、スポットを閉じた。

華麗に恋愛相談にのってみる

よくあるスポットは恋愛相談。
恋愛のスペシャリスト陰山秀信(34)としては、答えないわけにはいかない。

といっても利用者の年齢が幅広いアンサー。10代の甘酸っぱい青春から、20代のドロドロした恋愛模様、30代の鬼気迫る結婚願望、40代の殺伐とした浮気話。色んな相談がどんどん投稿されていく。

あくまで匿名の相談アプリ。もちろん釣りもあれば嘘の相談もあるかもしれない。でもそんな事は恋愛スペシャリストにとってはどうでもいい事。本気モードで自分が目についた恋愛相談スポットにガチ投稿してみる。

スレ主は最初簡単な言葉で相談を投げかけるため、情報が圧倒的に少ない。例えば「好きな人に思いを伝えたら関係が壊れそうで怖い」これだけだと、スレ主と相手との距離感すら分からない。「本当に好きならぶつかってみれば?」なんて、こんな少ない情報の中で投稿するのは失礼極まりない。だからまずは質問を投げかける。わずかな文章でスレ主の気持ちを読み解く掛け合いが重要だ。

いつどこで知り合ったのか、相手と自分の立場、周りに干渉する友だちはいるのか、今まで自分から告白したことがあるか、34歳はおじさんですか?お兄さんですか?目が細いのは好きですか?
質問攻めだが仕方がない。これも仕事だ。

ただやはり思惑通り、質問を重ねていくと、最初に相談した内容とは別にスレ主自身が気づかない大きな問題が顔を出しはじめる。不思議なもので、それにスレ主が気づいてくると、案外すんなり解決したりする。その問題を取り除くアドバイスをすればいいだけだからだ。

なに?おれはセラピストかなんかですか?という疑問はすぐに心の奥底にしまい込んだ。

回答を繰り返すうちに、本当に心が晴れたのか、「気持ちに整理がつきました!前を向いて進めそうです。ありがとうございました!」というお礼の言葉と共に、わたしの回答にベストアンサーをつけてくれる人が増えていった。

こちらこそ、ありがとう。
「34歳はお兄さんです」というのもお世辞とはいえ嬉しい。
解決できてよかったという思いと、ひとつの投稿がベストアンサーに選ばれ、誰かの役に立った、という自己欲求が満たされる感じ。まさに自己満である。

もちろんネタ投稿もあり

ネタを色々投稿してみたりもした。返しが上手い人にあたったりすると、投稿数が200は軽く超える。突出している人もいて、自分のボキャブラリーのなさに愕然とする事もあった。
ボイスといって、音声を気軽に投稿できるのも面白いポイント。ボイスオンリーで会話とかしていると、なかなか普段ではあり得ない状況を楽しむ事もできた。

で、色んなスポットに投稿しまくっていると、通知が止まらない… いや、半端ないなこれは。
一度でもスポットに投稿すると、誰かが新しく投稿する度にピコンピコン通知が鳴る。そこでスポットを見にいって返答するとさらに別のスポットが…
おちおちトイレにも行けねぇ。それだけ利用者数が跳ね上がっている証拠かと。
やり過ぎて寝不足になってしまったのは言うまでもない。

もちろん仕事だ。仕事でやりはじめたが、ここに時間を食われ過ぎてしまっては本末転倒。時間がいくらあっても足りない。断腸の思いで涙を隠しそっと画面を閉じた。

多様化するコミュニケーション

今やLINEやFacebookでコミュニケーションをする機会が普通になっているが、顔を知らないからこそ、誰にも言えない悩みを気軽に言えたりする側面があるのは事実。そういう意味では、LINEよりも早く自分の投稿にレスがつき、聞いて欲しい願望は満たされ、回答する側は自己欲求が満たされる。

アンサーの世界では、スレ主、回答者がどちらも嬉しい仕組みがしっかり出来上がっているのだ。

即レス、といって投稿されたスポットに3分以内に投稿すると、ランキングが上がっていく仕組みも、自己満を欲する人には何物にも代え難いのだろう。
ランキングを上げるためだけに新着のスポットに一言だけガンガン投稿する人もたくさんいる。もちろん2ちゃんのように面白半分で荒らす人、絶対普段はおとなしいのにこの場だけだろ?と思うほど毒舌の人もいたり、まさにカオス。
でも、インターネットの海の中で「今何してる?」とどれだけ叫んだところで山びこすら返ってこないが、アンサーでは何かしらの反応が必ずある。「ちょっと聞いてよ」がすぐに叶えられる。ちょっとした人の優しさに触れる瞬間は格別嬉しいものであるに違いない。

9月はじめにアンサーは「相談アプリ」から「即レスコミュニケーションアプリ」に路線変更をしたようだ。

確かに相談という枠だけに捉われるアプリではない。全く新しいコミュニケーションを求めている人が相談アプリの枠の中で多様な使い方をした結果、生まれたコンセプトなのだと思う。

ちなみに無料で使えるこのアプリ。マネタイズはどうしているんだろうと思っていたら、投稿するキーワードに応じて、オフィシャルアカウントのようなものから投稿が差し込まれる。それは、地方のゆるキャラだったり、漫画のキャラクターだったりする。今はこの辺りからの広告収入のみかなと。

アンサーの運営はごく限られた人数で行っているそうなので、がんばって欲しい。
これからも、色んな形のコミュニケーションツールが生まれてくるんだろうなという可能性を感じた1週間だった。